このガイドはコホートを理解する手がかりとなり、各種データやユーザー動向をより深い見識に基づいて追跡できるようになります。

1コホートについて・コホートの活用方法

コホートとは、定められた期間内にある特定のイベントを発生させたユーザー群のことです。adjustのコホート分析では普通、インストールかリアトリビューションを基準としてコホート分けを行います。adjustダッシュボードでコホートを定義すると、定義された期間内のすべてのインストールとリアトリビューションが選択され、その後にコホート内のユーザーが起こしたすべてのセッションやイベントが分析対象となります。コホート分析では、インストールまたはリアトリビューションに関連したデータのみを扱います。

コホート分析の利点

コホート分析を使えば、同種の集団間でユーザーを比較できるようになります。ユーザーがインストールしたアプリを積極的に使う期間(アクティブ期間)には限りが有り、その期間中の利用動向に応じた仕掛けを行う必要があります。宣伝方法やアプリに変更を加えても、ユーザー群の構成が常に変化していると、効果を把握するのは難しくなります。したがって仕掛けの効果を明確に把握するためには、同種の集団間で比較を行うことが重要になり、ここでコホート分析の出番となります。

コホート分析を使えば、様々な改良やキャンペーンを同時進行することから生じかねない混乱を無視できるため、どの仕掛けが最も効果的で、投資に値するのかという判断を行いやすくなります。

2ユーザーのセグメントとアクティブ期間

簡単な例から始めましょう。adjustは、モバイルアプリのユーザーをダウンロード日で分類し、その後ユーザーの使用動向データがインストール週ごとに集計されていきます。この時点で既に全く新しい視点からの分析、つまりインストール後1週間、または数週間で生じた売上額の抽出が可能となっています。

このようにセグメント分析ができるようになると、アクティブ期間について比較ができればより便利です。その場合2つのコホートを用意するだけで、インストールの翌週、翌々週…といった集団間での指標の比較が可能になります。

この手法では同時期にアプリを使用しているユーザー群同士を直接比較できるため、アクティブ期間の違いによるデータへの干渉を排除することができます。

コホートを使えば、指定期間内のユーザーセグメントの動向が追跡できるようになります。エンゲージメント率はユーザーごとに変わるだけでなく、ユーザーがアクティブ期間のどの時期に属しているかによっても変化します。マーケティングであれ、リエンゲージメントであれ、製品アップデートであれ、最適化の取り組みの波及範囲は多くの場合、一部の集団に限られています。

3コホートの設定

adjustダッシュボードでは、インストール日とリアトリビューション日を基準とし、更に時間、プラットフォーム、国といったフィルターを使用してコホートを定義します。

また、データは集客チャネルとインストール日のどちらからでも分類可能です。

コホート期間はインストール後に経過した日、週、月を基準として定めることが出来ます。日付のより新しいコホートの分析には、詳細な日単位のデータを使い、日付のより古いコホートの分析には週または月単位のデータを使うとよいでしょう。日単位の詳細な分析はインストール後30日まで実行可能で、週単位の分析は12週間まで、月単位の分析は無期限に行うことができます。

コホートのセグメントの分類方法には、以下の2種類があります。

  • トラッカーによるセグメント分け:SDKに流入するトラフィックは常に、トラッカー(マーケティングチャネル)というインストールソースに結び付けられています。コホート分析では、インストールソースや、コホート内のユーザーがインストールやリアトリビューションを行いアクティブユーザーとなった時期、インストール後のセッション数、そしてアプリ内のイベント数を確認することができます。トラッカーによるセグメント分類時には日付は考慮されないため、指定期間中いつでも、離脱ユーザーがアクティブユーザーに変化することがあります。

  • インストール日によるセグメント分け:ユーザーがコホート内でアクティブユーザーとなったインストール日に基づき分類を行います。ユーザーデータは、インストール日とリアトリビューション日に基づいて集計されます。このビューでは、ユーザーのアクティブ度の動向とその変化を分析するため、特定の日にインストールを行ったユーザーのアクティビティと、そのユーザーの時間経過に伴う利用度の変化が表示されます。

3.1KPI(キーパフォーマンス指標)の選択

KPIを選択して分析結果を微調整すれば、コホート内のユーザーをより細かいグループに分けて分析できるようになります。(グループ例:課金ユーザー、アプリ内で特定のイベントを発生させたユーザー)

最初に、ベースを定義してください。ベースにはあなたが指定したコホートに属する全アクティブユーザーが含まれます。全ユーザーを表示するか、課金ユーザーに絞り込んで表示するかを選択できます。また、アプリで特定のイベントを発生させたユーザーを選択してより詳細な分析を行うこともできます。

コホートのデータは、セッション、売上、売上イベント、売上以外のイベントなど、様々な指標を用いて表示することができます。また、ユーザーやイベント、コホート期間によって分類されたデータを表示するフィルターオプションもあります。コホート内でインストール/リアトリビューション後に発生したセッション数の推移を見れば、ユーザーによるアプリの継続利用期間が分かります。時間が経過するにつれてセッション数は減少しますが、コホートを活用すれば減少が始まる一瞬を捉え、的を絞った呼び戻し対策を行うことができます。

コホートのデータはユーザーの呼び戻し以外に、アプリのアップデートがユーザー行動に影響を及ぼすどうかを確認するためにも活用することができます。その際はコホート内の継続利用率や生涯価値の変化を分析することになります。アップデートの効果を確認するためには、新機能導入後にインストールを行ったユーザーによる別のコホートを作成し、継続利用率、セッション数、生涯価値の増減などのKPIを使って比較分析を行ってください。こうすれば、アップデートが狙い通りの効果を生んだかどうか、直接比較することができます。

こちらで紹介しているすべての指標は、定義したコホートに適用され、そのコホートから得られたデータのみを含むもので、統計概要とは異なります。統計概要では一定期間内に追跡されたすべてのデータが表示されてしまい、その期間内にアプリをインストールしたユーザーから得られたデータだけが表示されるわけではありません。コホートを使えばそうした絞込みが可能で、指定した期間内にインストールしたユーザーを対象として、アプリ内で行ったあらゆる行動を調べることが出来ます。

KPIの複数選択

コホート分析のページで複数のKPIを同時に見ることができます。コホートページのフィルターの項目でKPI Selectionをクリックし、並べて表示したいKPIを選択、okをクリックし適用をクリックしてください。ページがリフレッシュされ、KPIが表示されます。

4コホートデータの分析

adjustダッシュボードの統計概要画面では、選択した期間内に発生したセッション数などの情報を確認できます。期間全体のアクティビティ数の増減は確認できますが、一定期間内に新規獲得ユーザーが発生させたセッション数を分析することはできません。ここでコホート分析の出番となります。

コホート分析では、インストール日またはリアトリビューション日を起点として、ユーザーやユーザーを獲得したマーケティングチャネルとデータの結びつけを行います。また、流入セッションやインストール後のイベントは、マーケティングチャネルやセッション/インストールの発生日と結び付けられて記録されています。

5生涯価値(LTV)の算出

コホート設定には、キャンペーンへの取り組みが功を奏し、求めていた優良ユーザーを実際に獲得できたどうかを判断する、生涯価値(LTV)というある重要な指標があります。コホート画面では、コホート内の全ユーザーベースの生涯価値と、課金ユーザーベースの生涯価値を確認することができます。

生涯価値は時間経過とともに増加、やがては損益分岐点に到達し、その瞬間から収益が発生することになります。インストール後の経過日数が比較的短いコホートを表示すると、データの分析方法によって生涯価値が変化してしまうことがあります。また、トラッカーによりセグメント分けされたデータを表示すると、選択期間の終わりにインストールを行ったユーザーは、期間のはじめにインストールしたユーザーよりも後に成熟し、課金ユーザーに切り替っていくことが分かります。

なお、トラッカーベースでセグメント分けしたデータと日付ベースでセグメント分けしたデータとの間で生涯価値を比較すると、得られる結果は異なります。これらの分類ではそれぞれにデータの扱い方が違い、一方では集客ソースに、他方ではインストール日またはリアトリビューション日に焦点が当てられているのです。

6コホート指標

  • コホート
    コホートとは、定められた期間内にある共通の事象を経験した分析対象者の集団のことです。adjustによるコホート分析では、インストール/リアトリビューションを基準としてコホート分けを行います。

  • コホート期間
    選択したコホート期間により、表示されるデータの切り口が変わります。インストール後に経過した日数、週数、月数からお選びください。

  • セグメント
    セグメントの設定により、データをインストールソースとインストール日のどちらに応じて表示するかを定義します。

  • ユーザー当たりセッション数
    選択したコホート期間中のユニークユーザーあたりの平均セッション数を表しています。

  • 日/週/月当たりセッション数
    選択したコホート期間に応じて、日/週/月あたりのセッション数が表示されます。

  • 継続ユーザー
    このKPIは、インストール後もアプリを継続利用しているユーザーの絶対数を表しています。インストール日を表す0列には、選択したコホート期間中のインストール数とリアトリビューション数の合計が表示されます。

  • 継続利用率
    継続ユーザーの割合を表示しています。一定日/週/月の経過後にアプリを継続利用しているユーザーの比率がわかります。0列(インストール日)に表示される値は、インストール日に少なくとも1回はアプリが利用されるため、定義上100%となります。

  • 日/週/月当たり売上
    一定のコホート期間内に、選択されたユーザーベース内のユーザー(デイリーアクティブユーザー/週間アクティブユーザー/月間アクティブユーザー)から発生した平均売上を表します。

  • 売上合計
    選択したコホート期間とコホートベースに応じた日/週/月あたりの全売上イベントの累計売上総額です。

  • ユーザー当たり売上
    指定したコホート期間とコホートベースにおけるユーザーあたりの平均売上です。

  • 生涯価値(LTV)
    コホート分析に用いられる指標です。コホート内の売上総額を、選択したコホート期間(日/週/月)中に発生したインストール総数で割って求めます。

  • コホートイベント
    コホート内のユーザーがコホート期間中に、ある特定のイベントを発生させた回数が表示されます。

  • ユーザー当たりイベント数
    コホート内のユーザーが発生させた平均イベント数です。

  • イベント毎コンバージョン(CV)ユーザー数
    該当イベントを発生させたコホート内のユーザー数を表す指標です

  • イベント毎コンバージョン分布
    現時点までに売上を生み出した全課金ユーザー中における、コホート内の課金ユーザーの割合です。